スウェーデンでプログラマーの仕事に就くまでの流れとスウェーデンでの面接

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Photo by Headway on Unsplash 

自分で望んだ訳ではなかったですが、
日本でもスウェーデンでも数々の面接を経験してきました。

基本的に仕事の面接の心構えはどこも一緒かな、と思いますが
スウェーデンの面接ではどんなことが聞かれるか、どんな風に振舞うとうまくいくか
紹介したいと思います。

スウェーデンでプログラマーの仕事に就くまでの流れとしては

  1. 求人を見つける。
  2. メールで必要なものを送る。
    履歴書(CV)、カバーレター(自己紹介と志望動機を書いたもの)など
  3. 面接に呼ばれる。
    (最初の面接が人物重視の面接で、2回目の面接が技術系の面接のことが多いです。)
  4. 会社によっては課題を出されることもある。
  5. そして、うまくいけば採用の返事がメールでくる。

以下に一つ一つ詳しく、私の経験も交えながらお話しします。

1.求人を見つける。

スウェーデンの職業安定所(Arbetsförmedlingen)のサイトやLinkedinで探します。
私が就職活動を始めた頃はそんなにLinkedinが浸透していませんでしたが、
今ではLinkedinで仕事を探すのが主流です

何年か経験を積むと、職場で知り合った過去の同僚から、
「うちの会社に来ない?」と誘われることもよくあります。
紹介の場合、面接の回数は少なくなることが多いです。

ある程度の経験を積んだら次の職場に転職する、というのが多く、
そのタイミングでお給料もグッと上げることができます。

求人には給料が記載されていないのが当たり前。
面接の自分の売り込み方次第で給料が変わります。

別の回で紹介しますが、スウェーデンでのプログラマーの働き方は三つあって、
求人は2種類あります。

  1. 実際に働く会社に直接雇用される場合
  2. 雇用された会社からコンサルタントとして、
    比較的短期の契約で色々な会社に派遣される場合

    (半年から1年、延長される場合もあります。私は現在、この形で働いていて知らぬ間に延長されて3年経ちました。)

いずれの場合も社会保険はあり、雇用は安定しています。

働き方の三つ目は、自分の会社を持ち、完全にフリーランスのコンサルタントとして働く場合ですが
これはフリーランスなので自分の能力次第ですね。

2.メールで必要なものを送る。

自分で作った履歴書を送る場合と
会社側が用意しているウェブサイトに必要事項を入れる場合とあります。

いずれの場合も、

  • どうしてこの会社で働きたいか、
  • なんで私がこの仕事にふさわしいのか、
  • 私のどの能力がこの仕事にぴったりなのか

という熱いセールスポイントを忘れずに。
求人欄に載っていたキーワードをあえて
自分の履歴書やカバーレターに入れるのは基本です。

3.面接に呼ばれる。

私の経験では、面接は多い時は3回以上、少ない時は1回でした。
一番最初の面接は直属の上司と一緒に働く同僚の一人、
というのが多いです。

質問される内容はカジュアルなものから、働き方など色々。
例えば、

  • 自分のことについて話して、とざっくり聞かれる
  • この仕事のどこに興味を持ったのか
  • ストレスがあるときはどういう風に対処するか
  • 仕事に来る毎日のモチベーションは?
  • あなたのどの経験がこの仕事に合う、と思うか
  • 5年後、10年後にどうなっていたいか
  • チームで働くのは得意だと思うか
  • あなたが苦手だと思うことは何か

スウェーデンではその人がどこの国からきたか、
セクシャルマイノリティーであるか、
妊娠しているか、
子どもがいるか、などによって差別されてはいけない、
ということになっています。

話の流れで聞かれたり、自分で言うことになることもありますが
子どものこと、妊娠のことはあえて言う必要はないかな、と思います。

どの職場にも子どもがいる人はいるし、妊娠している人はいるし、
それをあえて自分から面接で強調する必要はないです。

どの質問が来ても答えられるように準備をしておくのはもちろん、
面接の前に、「私はすごくできる人!」と奮い立たせて行きましょう。

スウェーデン語の言語自体に尊敬語がないというのが一番の理由
だと思いますが、上司と部下の関係はかなりフラットです。
肩の力を抜いて面接に向かうのも重要です。

どんな人、と聞かれたら、だらだら自分の話をするのではなく
時系列的にこの仕事と少し関係ある経験を話します。

そして最後は、だから私はこの会社で働くのを楽しみにしています。
と、もう働く気マンマン、私はその気ですよ、という雰囲気を出します。

自分のことについての説明は、
面接に行く前に必ず聞かれてもいいように時系列的に書き出し、
何回か読み返すようにしています。

会社のウェブサイトや求人内容を確認して、自分なりに会社の働き方や文化を想像してから面接に臨みます。

給料はいくらくらい欲しいか、面接前に自分で自分の相場を決めましょう。
面接の時に自分から給料の話はしないようにします。
面接官に聞かれたら答えられるようにだけ、しておきます。

そして、面接を楽しむ余裕を持つこと。

その日は私の話を聞いてくれるために集まってくれてるわけです。
もしかしたらこの日で会うのが最後になるか、
あるいはこれから1年、2年一緒に働くことになる大切な同僚です。
どんな人なんだろうという、好奇心で相手もワクワクしているはず。

ちょっとクスッと笑ってしまうような、私らしさが出るような話ができれば、
自分も相手も、あー今日は楽しかった。となるでしょう。

そして最後に働き方や職場についてこちらから質問をします。
実際に働いたらどんな感じなのか想像しやすいですし、
相手にも、この人、この仕事にすごく興味があるんだな、と思ってもらえます。

2回目の面接は技術系の面接。あるいはペアープログラミングをする、というのもありました。

2回目の面接は一緒に働くだろう、同僚のプログラマーに合うことが多かったです。
質問内容としては

  • フロントエンド、私の場合Reactを使っているので、Reactに関する質問。
  • 今まで直面した難しい課題にどう対処したか
  • 自分でどうしても解けない問題があった場合、どうするか

わからないものは焦らずパニックにならず、正直に、さらっと、わからないと言えば大丈夫。
質問する側もみんながみんな、完璧だとは思っていないでしょう。
質問の内容から相手側がどのくらいの能力、
どんな経験のある人を採用したいかが想像できます。

私の場合、このタイプの2回目の面接も入念に準備をし、
面接前に自分が実は苦手な部分の理解を深めるようにします。
そして面接がやって来たら、その部分について自信を持って話す。

技術系に関しては、ちょっと話しすぎてもいいかな、と思います。
相手が聞きたいことより、私の話したいReactについて話して
こっちのペースに持っていってしまう、というのもありです。

そして1回目の面接と同様、面接を楽しむこと。
私のために時間を割いてくれた、その人にありがとう、という気持ちいっぱいで
面接の時間を過ごすのも大切だと思います。

ペアープログラミング

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Photo by Austin Distel on Unsplash

ペアープログラミングとはペアーになって一緒にプログラミングをするという言葉の通り、
同僚になるかもしれない、ディベロッパーと実際に一緒にコードを書きます。

一人がパソコンの前に座り、他の二人が次に何を書いたらいいか言う。
私の経験では、難しい内容の問題ではなく、基本が理解できているかを試されました。

実際に目の前で試されるので、逃げ場がないですが、
日々のやり方や理解力が試されるので、面接する側としてはわかりやすいんだと思います。

このやり方だと、どういうところで仕事をすることになるのか、実際の職場の雰囲気がわかります。

4.会社によっては課題が出されることもある。

課題の内容はデザインと写真だけが送られてきて、指示通りのものを作る、というものだったり、
実際に現場で起こりうる、バグを直す、という課題だったりします。

働いてみたい!という職場だったら尚更、こういう課題は勉強にもなりますし
前向きに取り組むのがいいと思います。

5.採用の返事がメールで来る。

無事採用、となればメールで前向きな返事が来ます。
給料の金額に関してはこの段階で表示される場合と、
面接の時に面接官からいくらくらい欲しいか聞かれる場合とありますが
自分の考えていた金額より低ければ、交渉が必要です。

自分が本当に働きたいと思う会社であれば喜んで返事をします。
そうでなければ、しっかり丁重に断りましょう。ここは自分の腹に聞いてみます。

自分の勘でこの会社では無理だなと思うのなら、
そして、他の会社からもいい返事がもらえそうなら、キッパリ断りましょう


現段階ではこの会社しかない、と思うのなら、
腹をくくって1年は経験を積ませてもらおう、
というのもありです。

最近では契約書にオンライン署名できる会社もありますが、
実際に会社に訪問する場合もあります。

私は実際に会社に訪問して、契約書にサインして、それから断ったことが一度あります。
契約書にサインをする段階で、私の中で何かが引っ掛かったんです。
そういう時はやっぱりやめて良かった、と今も思います。

最後に

面接は慣れです。
就職・転職活動する時にはいくつもの会社に履歴書を送ります。
一週間毎日面接が入ってることや、一日2回面接がある日もありました。

私はエクセルシートに履歴書を送った日、返事が来た日、面接日時、などを記入して
ごちゃごちゃにならないようにしていました。
世の中にはいろんな会社があって自分に合う会社も合わない会社もあります
1個の面接でうまくいかなくても、次の面接では前の面接での失敗が生かされます。

採用する側も人間を採用するので一緒に働きたい、という人を探しています。
余裕と自信を持って面接に臨むのが一番かな、と思います。