スウェーデンのオフィス

スウェーデンでプログラマーとしての雇用のされ方、メリットとデメリット。給与形態について

Photo by Israel Andrade on Unsplash スウェーデンでプログラマーとして雇用される場合、大きく分けて2通りあります。一つ目は会社に直接雇用される場合。二つ目はコンサルタント会社に雇用されて、実際に仕事をする会社は別の会社で、別の会社でコンサルタントとして働く場合です。 私は今まで2つの会社で直接雇用で働き、その後2社のコンサルタント会社に雇われて、主に4つの会社で働いてきました。今回は私が実際に働いてみた中で感じたその違いとメリットについて書いてみたいと思います。 実際に働く会社がお給料をもらう会社 - 直接雇用の場合 直接雇用の場合、実際に働く会社が自分の会社、ということになります。数回呼ばれる面接のプロセスの中に人事との面接があったり、入社が決まって、社員研修があったり、人事課との面談があったり、実際に仕事をしている会社と自分の関係が深くなりやすいのが直接雇用です。 コンサルタント会社に雇用されて、コンサルタントとして働く 例えばコンサルタント会社に採用が決まったとすると、次は実際に仕事をする会社に面接に行く必要があります。コンサルタント会社は自分の会社であるけれど、実際に仕事をするのは別の会社。多くの場合、コンサルタント会社に営業担当者がいて、プログラマーの希望と顧客が必要としているスキルや人を照らし合わして顧客にコンサルタントを紹介します。顧客が会ってみたい、ということになったら面接に行きます。 コンサルタントの扱いと仕事の内容は会社によって違う 直接雇用とコンサルタントを両方経験してみて思うのは、コンサルタントの扱いと仕事の内容は会社によって違うということ。私の今の職場では一つのチームの中に何人かのコンサルタントがいるので、仕事内容に違いはありません。でも、会社によっては人気のないプロジェクトをコンサルタントにやらせるということもありました。 そして、実際に仕事をする会社にとってのコストはコンサルタントの方がかかるので会社の業績が悪化して大量解雇することになった場合、一番にカットされるのはコンサルタント、というのはよくあることです。ただし、コンサルトは働く会社がなくなっても、コンサルタント会社に雇用されているので、職なしにはなりません。次の会社をまた営業さんに探してもらいます。 働く期間は直接雇用とコンサルタントでは違う? コンサルタントが面接に行き、担当者が気に入って、じゃあ働いて下さいと、なった場合、コンサルタント会社と派遣先の間で契約を結びます。私が今まで働いた中では契約が5ヶ月だったり、8ヶ月だったりと短い場合もありましたが、現在の会社では私の気づかないところで延長されていてもうすぐ3年になります。 コンサルタントとして働く場合は突然契約終了、ということもあります。…
job-interview

スウェーデンでプログラマーの仕事に就くまでの流れとスウェーデンでの面接

Photo by Headway on Unsplash  自分で望んだ訳ではなかったですが、日本でもスウェーデンでも数々の面接を経験してきました。基本的に仕事の面接の心構えはどこも一緒かな、と思いますがスウェーデンの面接ではどんなことが聞かれるか、どんな風に振舞うとうまくいくか紹介したいと思います。 スウェーデンでプログラマーの仕事に就くまでの流れとしては 求人を見つける。 メールで必要なものを送る。履歴書(CV)、カバーレター(自己紹介と志望動機を書いたもの)など 面接に呼ばれる。(最初の面接が人物重視の面接で、2回目の面接が技術系の面接のことが多いです。) 会社によっては課題を出されることもある。 そして、うまくいけば採用の返事がメールでくる。 以下に一つ一つ詳しく、私の経験も交えながらお話しします。 1.求人を見つける。 スウェーデンの職業安定所(Arbetsförmedlingen)のサイトやLinkedinで探します。私が就職活動を始めた頃はそんなにLinkedinが浸透していませんでしたが、今ではLinkedinで仕事を探すのが主流です。何年か経験を積むと、職場で知り合った過去の同僚から、「うちの会社に来ない?」と誘われることもよくあります。紹介の場合、面接の回数は少なくなることが多いです。 ある程度の経験を積んだら次の職場に転職する、というのが多く、そのタイミングでお給料もグッと上げることができます。 求人には給料が記載されていないのが当たり前。面接の自分の売り込み方次第で給料が変わります。別の回で紹介しますが、スウェーデンでのプログラマーの働き方は三つあって、求人は2種類あります。 実際に働く会社に直接雇用される場合 雇用された会社からコンサルタントとして、比較的短期の契約で色々な会社に派遣される場合(半年から1年、延長される場合もあります。私は現在、この形で働いていて知らぬ間に延長されて3年経ちました。) いずれの場合も社会保険はあり、雇用は安定しています。…
ストックホルム

スウェーデンでプログラマーになる。に至るまで

Photo by Jon Flobrant on Unsplash プログラマーになって9年。移住して13年。私の場合、移住してすぐに自分のやりたいことはこれだ!と見つけられたわけではなく、仕事もなく、スウェーデン語ができない現状に満足できず、くすぶっていた4年間がありました。今振り返ると、ウェブに興味はあったし、周りにはプログラミングをやってみたら?とアドバイスしてくれた人が何人かいたけれど、本人がやろう!と思えなかったせいで時間がかかった、と思います。今回は私がどういう経緯を経て、プログラミングを学ぶことになったか、そしてどうやって最初の仕事にたどり着き、今に至るか、について書きたいと思います。2010年にスウェーデンのストックホルムに移住し、最初はとりあえず、移民用のスウェーデン語学校、SFIに通う。日本に住んでいた時は DTPオペレーターをしていて、ウェブに興味を持ち始めていたので、Dreamweaverで初めてのウェブサイトを作り始める。スウェーデンの地下鉄についてのウェブサイトでした。2012年にヨーテボリに引っ越す。その頃にはSFIが終わり、SASという次のレベルのスウェーデン語学校に通う。SASが終わりウェブの仕事を探したいと思い、数件の会社に履歴書を送るが、スウェーデン語に自信もなく、うまくいかず、プログラミングの学校に通うことにする。(C# とJavascriptとSQLでした)しかし、スウェーデン語での授業についていけるだけのスウェーデン語力がなかったこと、選んだプログラミング言語が自分に合わなかったせいか、途中で挫折。2013年にウプサラに引っ越す。再び現地のプログラミングの学校に通い、一年半のコースを無事終了し、就職活動を始める。この時はPHPとSQLとJavascriptとCSS、もう少しフロントエンドにも重点が置かれていたのも良かったのかもしれません。 スウェーデンでプログラミングを学び、就職活動をする スウェーデンではパーソナルナンバーというものがあれば教育は無料です。私が通ったプログラミングの学校はYrkeshögskolanという、職業専門学校のようなものです。先生はなんと、現役の大学生でした。そこでとても教え方の上手な先生のおかげで続けられました。1年間は課題と授業、6ヶ月間は生徒が自力でインターンをさせてもらえる場所を探して、インターンとして二つの会社で働くというコースでした。 現場で現役のプログラマーと一緒に教えてもらえながら、働かせてもらう代わりに無償で働くのがインターン。日本でDTPオペレーターの見習いやってた時は、見習いでも給料がもらえました。そのため、無償で働くことに私の中では最初、葛藤がありました。でも国が違えば、ルールも違う。スウェーデン語もプログラミングもまだ自信ないし、今だけの辛抱、と言い聞かせました。あと、履歴書に名前を書ける、推薦人も必要なんです。インターンをやらせてもらった会社で就職する人が多いですが、私はリサーチ不足で雇ってくれそうもない会社でインターンをしてしまったので、新たに就職活動をすることになりました。特に初めての会社はきまりにくい、初めの会社が決まりさえすればそのあとは決まりやすい。これはよく聞くことでした。結局20社くらいの会社に履歴書を送り、唯一1社に面接に呼んでもらい、働き出しました。最初の半年は試用期間ということでしたが、その試用期間の間に、私、首になるんです。私が採用された時の上司は運よく、というか、プログラミングが全く分からない人だったんです。ですが、私が働き始めて1ヶ月か2ヶ月で新しい上司がやってきて、その人は私の能力が足りないと判断して、首。初めての会社なので、能力なくて当然だと思うんですが。首にはなりましたが、取りあえず履歴書に書ける会社ができました。それはラッキー。始めの会社が決まりさえすればそのあとは決まりやすい、というそのことばを信じて、焦ってすぐまた就職活動を始めます。また、運よく面接に呼んでもらい仕事が決まり、働き始めます。1年半働いて、妊娠、出産、育児休暇をとって、復帰して半年で、なんと今度はやんわりと退職をうながされます。フロントエンドの仕事がない、という理由でした。また首!という感じで笑うしかなかったですが、とにかく履歴書送りまくって就職活動。その後また無事就職決まり、自分の意志で一度転職もし、今に至ります。 スウェーデンでの転職活動 今振り返ると、今、なんとかやっていけているのは 諦めなかったこと。 一回ダメでももう一回チャレンジ。プログラミング、と言っても言語も仕事もいろいろありますから。 面接に呼ばれたら、とことん準備してその面接に向けて準備する。 そして、自分で進歩が感じられなくても、1日1日少しずつ学ぶことを繰り返す。 これの繰り返しの結果、今の自分があると思います。外国人としてスウェーデンで働くプログラマーやデザイナーはたくさんいます。英語だけを話す人、スウェーデン語も使って働く人。自国でIT関係の会社で働いてから、スウェーデンで仕事を見つけて移住した人。 私にはこのやり方しかない、と思い込んで、私なりの方法で仕事を見つけましたが今はもっと他に方法があったのかもしれないな、と思います。IT、プログラマー、UXデザイン、今もまだ世界中で求人が多い職種です。スウェーデンに限らず、 一回の面接がうまくいかなくても、めげない前向きな気持ち プログラミングの知識を増やすための日々の向上心と努力…
frontend programmer

フロントエンドディベロッパーの仕事とは?具体的にどんなものを作る?

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash ウェブサイトやウェブアプリケーションをカッコよく、使いやすくするのがフロントエンドディベロッパーの仕事です。 私がプログラミングを始めた7年前は、企業のウェブサイトを作るのがフロントエンドディベロッパーの仕事だと思っていましたが、色々な会社で働く中でフロントエンドと言っても、色々なものを作るんだということに気が付きました。例えば、 オンラインショップ携帯電話会社の申し込み専用のサイトオンラインゲームを配置するためのサイト金融関係会社でお金の出入りを把握するためのウェブアプリケーション などなど、 最近はウェブサイトというより、ウェブアプリケーションを作ることが多いです。今までエクセルで把握していたものをもっと使いやすいものにしてウェブ上で把握する、とか情報をただ載せるだけではなく、今は会社とお客さんが双方向にやり取りするためのツールに変わってきていると感じます。 カッコよく、使いやすくするためには、それを可能にするデザインとUX(User Experience-使い手のことを考えてより使いやすくする技術)が必要です。それは大抵の場合、UXデザイナーから受け取って、私たちディベロッパーがコードを書きます。 私はディベロッパーになる前にDTPオペレーターをしていましたが、フロントエンドディベロッパーと少し似ているかな、と思います。DTPオペレーターの場合、デザイナーが作ったアイデアを紙媒体で形にしますがフロントエンドディベロッパーはデザインを、ウェブ上に再現します。 コードを書けないといけないので使われているプログラミング言語を知っていないといけないのはもちろん、デザインやレイアウトのズレを感じる感覚とそのアプリケーションをより使いやすいものにするためにどうしたらいいか考えることが必要です。 世界中のかっこいいサイトを見て、どういう風に作られているか見てみたりするといい勉強になります。アワードサイトは今かっこいいと言われているサイトが見られます。(日本語サイトもあります。)https://www.awwwards.com/ フロントエンドディベロッパーになるために必要なプログラミング言語はHTML、CSS、そしてJavascriptです。 Javascriptと言えば、どのJavascriptのフレームワークを使ってるのかも重要です。フレームワークとはウェブの大まかな枠組みを作る手助けをしてくれるものです。 フレームワークを使うと 複雑なものが、Javascriptを使うよりも短時間でできるコードを管理しやすく、他の人が見てもわかりやすいアプリケーションがデータを読み上げる時間を短くできたり、パフォーマンスが良い。…
work from home

完全リモートワークになった フロントエンドディベロッパーの1日

Photo by Nelly Antoniadou on Unsplash 現在はコロナのため、100%リモートで自宅からオンラインで働いています。会社によってはもう一年半くらい完全リモートという会社もあるようです。 私の最近の1日を簡単に紹介したいと思います。朝5:30から6:00に起床。6:30に会社のPCにVPNでログインして今日一日何をするかざっくり考える。7:00頃から朝食8:30から仕事再開9:00から9:20にオンラインで朝のスタンドアップミーティング(朝礼みたいなもの)私のチームはディベロッパー4人、UX(デザイナー)2人、プロダクトオーナー、テスターの8人です。一人ひとりが順番に1分以内で昨日やったこと、今日やることを話して、何か他の人と議論する必要があれば、このミーティングの後、残ってもらって話をする。私の場合、フロントエンドなのでUXの人の意見が必要な時があって例えば今朝は、もらったデザインが他のページのデザインと合わないけどこのままいくのか、聞きました。ミーティングが終わったら、それぞれがやる仕事をします。仕事はタスク管理ツールを使って管理していて、自分がやりたいタスクをTo Do から In Progress に移動させてから開始します。何か分からないこと、聞きたいことがあったら、基本チャットツールで質問し合います。会社によって違いますが、スラック、スカイプ、ロケットチャット、Microsoft Teamsなどなど。チャットだと話しにくい内容、複雑なことの場合はスカイプや電話で話します。チーム外の人に質問があったりする場合は基本メールを使います。日によって30分や一時間、ミーティングが入ります。自分にとって重要だと思えば参加、私の場合、バックエンドの内容で、参加しても意味がわからなさそうな場合は参加せず、後で簡単に説明してもらったりします。一週間に一回か二回、休憩用ミーティングがあって、仕事と関係ない話をしてみんなで休憩する、という時間があります。好きな時間にお昼ご飯をとって、天気の良い日は家の周りを10分くらい散歩。家に戻ってきて、さっきの仕事の続きをして夕方5時頃に仕事終了です。リモートになってだいぶ楽になりました。私の住んでいるところが郊外なのでいつも出勤に片道1時間以上かかっていました。朝は4時半に起き、バスと電車を乗り継いで会社に行っていました。インターネットの接続が良ければ電車の中でも仕事ができます。基本、部下を信頼する上司に恵まれてきたので、管理されることもなく、8時間仕事をしていればいつ始めてもいいし、朝早くに仕事しても、夜遅くまで仕事してもいい。なんと言っても自由度が高いのがこの仕事の魅力です。 ただし完全リモートならでは、の欠点もあるかな、と最近思います。リモート前は同僚とちょっとした雑談をする機会がありました。朝の挨拶の時、ミーティングの会議室まで行く時、お昼ご飯を一緒に食べる時。週末何したの?とかあの仕事はどうなった?とかあれがちょっとわからないんだけど?とか。会議や朝の短い時間に少しだけ交わす会話の中から会社やチームの働き方、同僚の人となりを知れたんです。それからオンラインで議論する時、Aさんが意見を言って、Bさんが反論する。CさんがAさんの意見に賛成、というと、会話がそれで終了、というようななんだか煮え切らない状態で終わってしまうことが多いなあと思うんです。私のチームはオンライン会議で顔を見せたがらない人が多いせいもあるかと思いますが。あと、オンラインの会議は会話がかぶると本当に聴きづらくなるので会話が一方通行になりがちです。 煮えきらなかったと思った時には会議の後、個別でチャットでメッセージを送るとか、オンライン会議でも2分か3分早めにログインして、早めに来た人とちょっと世間話するとか、私の対策は今のところそんな感じです。