子どもたちが3歳半になったくらいの時、夕食を食べていた時に
「自分がして欲しくないことを誰かにされたら、ストップ!っていうんだよ。」
と教えてくれました。
どうやら道路標識を使ったり、
みんなで一緒にDVDを見たりしながら、いかにストップ!というのが大切か、ということを
教えてもらっているようです。
ストップ!と声に出して言う練習をしたり、ストップの歌を歌ったり、
Stopp Min Kropp Sången(私の子どもたちが保育園でも見ている歌、ストップ!私のからだ Youtubeの画像です。)
そして、どういう時に自分はストップ!と言いたいか、先生と子どもたちは話しあったりするようです。
Du kallar mig lilla vän
Youtubeの動画から
– あなたはわたしを小さなお友達と呼ぶ
Nån jag känner igen
– 誰か見たことある人
Kramar när jag inte vill
– わたしが嫌なのに抱きつく
Vill faktiskt inte va still
– ほんとは、わたし、固まって突っ立ってたくない
Hjälp! Vill inte vara med dig
– 助けて!わたしはあなたと一緒にいたくない
Hjälp! Det känns inte bra för mig
– 助けて!なんかおかしい
Det är inte sånt. Du ska förstå
– そんなんじゃない。あなたはわかるはず
Du bestämmer över din kropp och andra bestämmer över sina kroppar.
あなたの体のことはあなたが決める。他の人の体のことはその人が決める。
これは私には衝撃でした。
3歳の子どもたちに人生でこんなに大切なことをこんなにシンプルに伝えるなんて!
私も小さい頃にそんな教育受けてみたかった。
私が子供の頃を思い出してみると、
自分にとって嫌なことをそんなにはっきりストップ!なんて言えたでしょうか?
ただ自分の意見をはっきり言う、というのではなく、
あなたの体はあなたが守るもの、
他の人の体はその人が守るもの。という明確なメッセージ。
自分自身を守る勇気と
他の人が嫌だと言ったらちゃんとそれを聞き入れる思いやりの気持ちを持とう。
小さくてまだ何がなんだか分からない子どもに対する性犯罪を防ぐのがねらいのようですが、
大人になってからも、やめて!というその一言、とても大切です。
保育園の先生に聞いてみると、先生が子どもの頃はなかった考え方のようです。
私の子どもの保育園だけではなく、決められたカリキュラムに入っている考え方のようで、
近所の他の保育園の窓にも同じメッセージが貼られていました。
調べてみると2013年にRädda Barnen(Save the Children)というNGO団体が
教材として本を出版したことが始まりだそうです。
Rädda Barnenのスウェーデン語の記事はこちら
- 子どもと体の話をしたい時にどうやって話をするか。
- 何が良くて、何がダメなのか。
- どうやったら性被害や性犯罪から子どもの身を守るか。
についてわかりやすく説明された本で、pdfで簡単にダウンロードできるようになっていて、
あっという間にスウェーデン全土に教材として広がったそうです。
現在もインターネットでダウンロード可能です。
改訂版の教材はこちらからダウンロードできます。
こちら↑のリンクには。
最近増えているインターネット上での性犯罪を防ぐために
そのことについて、どうやって子どもと話をしたらいいか、
幼児向け、小学生向け、など
年齢に合わせた教材があります。
世界中でなくならない、子どもの性犯罪。
大人の目が届かない時に被害にあった時に、子ども自身がどうしたらいいか知っていたら
防げることがあるかもしれない。
ちなみにストップの歌は色々なバージョンがあって
私が上に紹介したのは2016年に発表されたもので、スウェーデンの北、ウメオにある
Grisbackaskolanという学校の生徒が歌っているものです。
当時のスウェーデン語の新聞記事はこちら