ぬいぐるみのウサギと一緒に世界を知る、スウェーデンの保育園教育

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Photo by Kyle Glenn on Unsplash

5歳の娘がある日、ふと、
海にあるゴミをカメさんが飲み込んですごくかわいそうなんだよ!
ウサギのヘルマンがそう言ってた。」と言いました。

詳しく聞いてみると、どうやらこういうことです。

ぬいぐるみのウサギのヘルマンは保育園から世界のいろんな国に旅行して
旅行先から現地での生活や、言葉についての手紙やビデオレターを送ってくれるそう。
メキシコ、ハワイ、ケニヤ、カナダなど。

最近はメキシコでカメがゴミを飲み込んでかわいそうな状態になっている、という
ビデオを送ってくれたそうです。

さすが環境問題に積極的に取り組んでいる、スウェーデン。
5歳の子供たちに、海ごみ問題をぬいぐるみを使って教えています。

このことに限らず、
ウサギのヘルマンを通して子供たちは色々なことを学んでいます。

ウサギのヘルマンがケニアに行ってタガログ語についての手紙を送ってくれたり、
世界には食べるものが十分にない国があるということを知ったり、
旅行をする時にはパスポートが必要で、おもちゃのパスポートを作ったり、
世界地図を見て、寒い国があったり、暑い国があったりすることを知ったり。

ヘルマンはケニアの空港で他の国へ行こうとしていたら
渡り鳥たちに会った、という話もありました。

鳥たちは寒い冬がやって来たら、温かいアフリカに飛んでいく。
いろいろな鳥の写真を見ながら、鳥たちのことに思いを馳せたり。

ヘルマンが送ってくれた、ケニアにいる動物たちの写真を見ながら絵を描いたり。

世界の中に自分の住む国があるという感覚を小さな頃から養い、
いろいろなことに興味や関心を持つこと。

きっと将来、もっと大きくなって地理や歴史を勉強する時に
保育園の楽しかった思い出と共に、ヘルマンのことを思い出すかもしれません。

私は最初、子どもにこんなことを教えるんだ、と驚きましたが
5歳にもなれば、世の中の色々な問題を彼らなりに理解できるんですよね。

それでもまだ、子どもですから、ぬいぐるみのヘルマンが世界旅行に行くという、
ファンタジーの世界もすごく本当のことのように信じていて、
でも現実にある問題もちゃんと理解して、
子どもなりにどうしたらいいか考えているようです。

近所を散歩していた時にゴミを見つけると、
すぐに拾ってちゃんとゴミ箱に捨てよう、と言う子どもたち。

自分たちの毎日がこれからの未来、誰かの未来につながっている、ということを
ちゃんとわかっているんだと思います。